「箱の中に閉じてゆくのではなく、箱を巨大化させるのでもなく、またその存在を否定しまうのでもなく、その外へ出るのだ。茫漠と広がる混沌の中に人間の居場所を定めるために必要であった空間の区切りとしての箱は、いまや記憶で充満している。おぞましいと同時に懐かしい記憶の箱。ガラスの羊たちは、そこから元気に外へ出てゆく。
 最後に指摘しなければならないのは、箱の外へ出ることは、どこか夢の世界へ逃れることではないという点である。この点に関しての記述は後に譲らねばならない。(以下略)」

矢崎由布「ヨーゼフ・ボイス論序説−大きな箱としての<ブロック・ボイス>」
     『京都美学美術史学』より     (早大西洋美術史学専修室所蔵)

以上、学生MLより
2003/10/02 00:05








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